NFT特許について
最近、NFT(Non-Fungible Token)という言葉を新聞、雑誌、ニュース等でよく耳にします。NFTは、非代替性トークンと呼ばれるもので、ブロックチェーン上の代替不可能なデジタルデータのことです。具体的には、デジタルアート、トレーディングカード、ゲームのアイテムなどがNFT化されて取引されています。
例えば、最近の日経(電子版)の記事でも、
スクウェア・エニックス・ホールディングス、増収減益(2023年5月25日)
「…今後の重点施策に「ブロックチェーンゲーム開発」を掲げる。NFTを活用したビジネス構造・収益化の検証を進め、グローバルでの投資活動にも注力する。」
松山市、公民連携の窓口「まつやま未来パレット」開設(2023年5月23日)
「…非代替性トークン(NFT)や分散型のウェブサービス「Web3(ウェブスリー)」を活用したシティープロモーションなどについて提案を募集する。」
松竹、NFT新興に2500万円出資 劇場の来場特典など検討(2023年5月10日)
「松竹のコーポレート・ベンチャー・キャピタルの松竹ベンチャーズ(東京・中央)は、非代替性トークン(NFT)を活用したサービスを提供するスタートアップ「プレイシンク」(東京・新宿)に2500万円を出資した。劇場や映画館への来場特典などにNFTの活用を検討する。…」
などが見つかります。
J-PlatPatでNFTに関連する特許も検索してみました。今回はFI「G06Q/50/10」(サービス業に特に適合したシステムまたは方法)に限定して検索した結果の一例をご紹介します。
例えば、特許第7237233号は「ギフティングを行うための装置、方法及びそのためのプログラム」であり、スポーツファンがスポーツ選手のためにギフティング(デジタルコンテンツの購入)を行うと、ギフティングに対してリプライ(例えば、スポーツ選手の画像など。下記の図参照。)をNFTとして所有することができるというものです。
特許された請求項の一部を示します。
ギフティングを行うための方法であって、
装置が、ユーザーが用いるユーザー端末から、ギフティングの対象人物及びギフトを選択した前記ギフトの購入要求を受信するステップと、
前記装置が、前記対象人物が用いる対象人物端末に、前記ギフティングが行われた旨の通知を送信するステップと、
前記装置が、前記対象人物端末から受信した前記ギフティングに対するリプライの少なくとも一部が含まれる画像を生成するステップと、
前記装置が、前記ユーザーに対して前記画像が関連づけられたNFTを付与するステップと、
前記装置が、前記対象人物端末に、付与された前記NFTが移転されたことの通知を送
信するステップと
を含む。
NFTを活用した特許は、日本の公開公報を見る限り、まだまだ少ない状況です。そのため、NFTを活用した新たなビジネスモデルのアイデアをお持ちの方は、早めの特許出願をお薦めします。新規なサービスにおいて特許権取得となれば、競合他社を押されることが可能となるからです。